「しっかり立ちなさい」  02.07.14   市川和恵牧師 
              コリントT15:50〜58

 <かたく立って動かされることなくしっかり立ちなさい>と
み言葉は語りかけてくる。
聖書で使われる「しっかり立つ」という言葉は、座席に関係する言葉で、
あなたの信仰の座席にしっかり座りなさいということでもある。

 一人の人を紹介したい。病によって言葉を失いながらも信仰の席に
座りぬいた方がいた。
最後まで残った三つの言葉は「ありがとう」「ごめん」「アーメン」であった。
生き様が死に様となった方だと思う。

 福音信仰に預かり続け、復活の望みがあればこそ、私たちはよき業に
励みつつ、真に生きることができる。
復活信仰に立つ。それは、キリストが私の罪のために十字架にかかり、
赦しと共に復活された信仰に生きることである。
キリストによる赦しの信仰ゆえに、私たちのよみがえりの信仰があり、
それが私たちの希望である。

 「あなた方は変えられる。朽ちないものに!」と
変えられた者自身が語っている。
キリスト教を迫害していたものが、復活のイエスに出会った時に変えられた。
復活のイエスに出会ったとき、人は与えられた人生を生きるものに変えられる。

 キリストの十字架、罪の赦しのための復活、罪の赦しの宣言。
これは神の導きなしに、人の知恵だけで信じられるはずがない。
しかし、「朽ちないものを着る」「必ず」と繰り返し語られる。
それを神の導きによって信じるものでありたい。

 死は、人間にとっては終わりであり、人間の力が敗れる時である。
しかし、復活の信仰は、人を「死は最後の時ではない」との宣言を受けて
死を迎えられる者とする。
死が最後でないと知る時には、悩み苦しみがあったとしても、しっかり立てる。

 水が低い所に流れるように、神のみ言葉も低くなっている所に流れ込む。
身を低くし、謙遜になって、「朽ちないものに変えられる」との神の宣言を聞き、
キリストに連なって、生かされている人生を生きたい。